山形県の山寺【立石寺】
ガイドブックで見て「すごい所に建ってるな」位予備知識の無いまま行ったんですが、今から約1200年も前の貞観2年(860年)清和天皇の勅願で慈覚大師が開山した天台宗のお寺だそうです。
いくつもの仏閣が山に点在してますが総じて立石寺だそうで、縁切り寺として有名みたいです。
1015段ある石段を登っていきます。途中からかなりしんどくなるので、写真撮影などで急に立ち止まると、後ろを歩く人達にぶつかって大事故に繋がってしまう恐れがあるので安全に充分留意する必要があります。
ここまでは、普通のお寺だな~と普通のテンションだったんですが、登り始めて直ぐにアドレナリン放出。
これは、写真じゃよくわからないと思うんですが、墓石みたいに岩に戒名や没年などが彫られています。
岩という岩に墓石風のもの、お経、仏様、お地蔵様など彫られていて、歴史的な霊場であることがわかります。独立した石板塔婆の数もおびただしく、年号が読めない程風化が進んでいて色んな時代の人が故人を悼み、この地に思いを残してきた歴史を感じます。
(以前宮城県の松島の雄島で衝撃を受けましたが、雄島も歴史を感じる霊場でした。)
後で調べたら、塔婆の数はここ立石寺が日本で一番多いとの事(; ・`д・´)
GWの人ごみの中1000段以上の石段を登るわけですから、安全第一で立ち止まってじっくり見れないのが残念です。
平成の最後に時代を超えた祈りの中から年号を探しながら石段を登りました。
いつの時代も、死者を悼む気持に変わりはなく、死を悲しみ供養して、現代に生命がつながっていく神秘を見た気がします。
本当にすごい数の塔婆(思い)があるんですが、立ち止まってしまうと事故が起きかねないので、見つけることが出来たのは江戸時代から昭和にかけての【慶長】【寛永】【万治】【天保】【明治】【昭和】だけでした。
ですが読めない塔婆から時代がつながっていると感じられ、脈々と続く人々の思いの歴史に思いを馳せることが出来、平成の最後に来れて本当に良かったです。
元禄2年(1689年)松尾芭蕉がこの地で「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」という句を詠んでいます。
静寂な中に蝉の声だけが響き渡る情景を詠んだものですが、芭蕉も今の賑やかな山寺を見たらびっくりするでしょうね。
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